「団塊の世代」が全員75歳以上となる2025年。今年を境に認知症患者さんの数も加速度的に増えると予測されています。アルツハイマー病研究の世界的第一人者である金沢大学脳神経内科学の小野賢二郎教授が、能登での調査協力者で、ご家族を通じた縁もある恵寿総合病院理事長の神野正博先生に、研究の最前線や、疫学調査(※)で見えてきた地震被災による認知機能への影響などについて、お話しされました。
※【疫学調査】地域や特定の集団を対象に、病気の発生と要因の関連性を、統計的に明らかにすること

金沢大学医薬保健研究域医学系脳神経内科学教授
小野 賢二郎 氏
1997年 昭和大学医学部 卒業
2002年 金沢大学大学院医学系研究科博士課程 修了
2003年 金沢西病院脳神経センター神経内科 医長
2005年 金沢大学医学部附属病院神経内科 助手
2007年 カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)神経学教室(David B. Teplow教授) 博士研究員
2009年 金沢大学附属病院神経内科 助教
2011年 金沢大学附属病院神経内科 講師(医局長)
2014年 金沢大学附属病院神経内科 病院臨床准教授
2015年 昭和大学医学部内科学講座脳神経内科学部門 教授、昭和大学病院附属東病院脳神経内科 診療科長
2021年 金沢大学大学院医薬保健学総合研究科脳神経内科学教授、金沢大学附属病院脳神経内科 診療科長、昭和大学医学部内科学講座脳神経内科学部門 客員教授
2022年 琉球大学大学院医学研究科顎顔面口腔機能再建学講座客員教授、石川県立看護大学 客員教授
2023年 東京慈恵会医科大学脳神経内科学 客員教授、慶應義塾大学医学部(内科学教室神経内科学)客員教授、金沢医科大学脳神経内科学 客員教授、藤田医科大学脳神経内科学 客員教授、福岡大学医学部脳神経内科学 客員教授、富山大学学術研究部医学系脳神経内科学 客員教授、長岡崇徳大学 客員教授、昭和女子大学食健康科学部健康デザイン学科 客員教授、健康科学大学特任教授
2024年 東京薬科大学薬学部 客員教授
社会医療法人財団董仙会・恵寿総合病院理事長
神野 正博 氏
1980年 日本医科大学卒
1986年 金沢大学大学院医学専攻科卒(医学博士)、金沢大学第2外科助手を経て
1992年 恵寿総合病院外科科長
1993年 同病院長(2008年退任)
1995年 特定医療法人財団董仙会(2008年11月より社会医療法人財団に改称、2014年創立80周年)理事長
2011年 社会福祉法人徳充会理事長併任
65歳以上の5人に1人が罹患
神野
小野先生は、アルツハイマー病の新薬「レカネマブ」が病気の進行を抑える仕組みを世界で初めて解明されました。そのご功績は国内外で高く評価されています。本日は貴重な診療や研究のお時間を割いて対談の席にお着きいただきまして感謝申し上げます。
小野
定刻ギリギリになってしまい、駆け足で参りましたもので、息が少し切れております。神野先生にはいつも励ましていただいて、私の方こそお礼申し上げます。きょう先生とお会いできるのが嬉しくて、大学で自慢して参りました(笑)。
家族同士が旧知の仲

神野
先生と初めてお会いしたのは教授になられた4年前ですが、実はそのずっと前から、私の母を通じて、先生のお噂は聞いておりました。

小野
存じております。先生のお母様と私の祖母が大変、懇意にしていたそうですね。
神野
その昔、小野先生のおばあちゃまに私の母が日本人形づくりを習っていて知己の仲となり、先生のご家族がアメリカのバッファロー市に移られる際に、母も短期間ですが、一緒について行ったと聞いております。
小野
はい。父の研究の関係で両親と兄が渡米する際、母が私の出産を間近に控えていたため祖母が子守として同行することになったそうです。心細かったのでしょうか、祖母が先生のお母様をお誘いしたところ快諾されてご一緒に来て下さり、祖母も慣れぬ異国の地で大変心強かったようです。
神野
母は、現地で赤ちゃんを抱っこしたと言っておりました。
小野
その赤ちゃんは多分、私です(笑)。先生のお母様が生まれたばかりの私を、よく見に来てくださっていたそうです。祖母はしょっちゅう、お母様のことを私たち家族に話していました。「カンノさん、カンノさん」と、祖母がよく口にしていたのを幼心に覚えています。
神野
そうでしたか。アミロイドβ研究の第一人者となられた小野先生と、家族を通じたご縁があることを嬉しく思います。では本題に移らせていただいて、まずは話題の新薬「レカネマブ」の意義と、その作用機序についてご説明いただけますか。
小野
承知しました。従来の薬は、病気の元ではなく生き残っている神経細胞を元気にする作用を期待するものでしたが、レカネマブは今まさに燃え盛っているところを狙い、病気の進行そのものを緩やかにできる画期的な薬剤です。
神野
手の施しようがないとあきらめていた病変の本丸に切り込んでいく、頼もしい存在なのですね。
小野
はい。認知症はいろいろな原因で起こりますが、日本人に最も多いのがアルツハイマー病で、認知症全体の7割近くを占めます。アルツハイマー病はタンパク質のアミロイドβが脳に蓄積することで発症すると考えられており、レカネマブはこのアミロイドβを除去する働きがあります。臨床試験において有意な効果は確認されており、米国に続き日本でも承認されましたが、脳内でどのように作用しているのか、メカニズムは不明な部分が多いのです。
世界初、動画撮影に成功
神野
先生は、その謎のベールを一枚はがされたわけですね。
小野
ありがとうございます。アルツハイマー病が発症する過程において、アミロイドβが少しずつ集まって「プロトフィブリル」という小さな塊になり、やがて線維状の大きな塊に成長して脳に沈着します。私たちのこれまでの研究で、このプロトフィブリルが、神経細胞に特に悪い影響を及ぼすことが明らかになっています。私たちの研究グループは、金沢大学ナノ生命科学研究所が世界で初めて開発した、100万分の1ミリの世界を観察できる「高速原子間力顕微鏡(※)」を使い、レカネマブがプロトフィブリルの周りに集まり、天ぷらの衣のように包み込んでいく様子を動画で捉えることに成功しました。
※【高速原子間力顕微鏡(AFM)】数ナノメートル(1ナノメートルは100万分の1ミリ)の針の先端で物質の表面をなぞり、その針の動きをレーザー光が17 とらえてコンピューターが計算し、物質を画像化する仕組みの顕微鏡

神野
世界最高水準の実験設備を有する金沢大学だからこそ、成し遂げられた偉業でもあったのですね。その動画を撮影された瞬間、先生ご自身と金沢大学は、アミロイドβ研究のセンターにお立ちになりました。長く先生とおつきあいさせていただいている私としても、大変誇らしく思います。
投薬前後の有害物質の増減測定
小野
ありがたいお言葉です。レカネマブはプロトフィブリルを取り囲んで神経細胞を守り、この悪性物質が線維状に成長するのを抑え、毒性を和らげることも突き止めました。また、直近では、製薬大手エーザイとの共同研究で、これまで直接測定する方法がなかったヒト脳脊髄液中のプロトフィブリルの量を正確に測定することに成功しました。レカネマブの投与前後で量を測れば治療効果を確認する1つの目安となり、患者さんの予後の予測に活用できる可能性があります。また、薬の投与前後のプロトフィブリルの量の変化と患者さんの実際の認知機能や日常生活動作の変化との相関を見ることにより、レカネマブが本当に効くのはどういった患者さんなのか絞り込むことができます。この研究成果は、神経学でトップジャーナルの米国の国際学術誌に掲載されました。
神野
素晴らしい。認知症の治る時代が刻々と近づいているのですね。
小野
ただ、レカネマブの投与対象は、アルツハイマー病による軽度の認知症と認知症の前段階である「軽度認知障害(MCI)」の人に限られます。臨床試験では病気の進行速度を27%緩やかにする効果が確認されており、時間でいうと5・3カ月半ほど遅らせることに相当します。このように、現時点ではまだ、根治の道のりは遠いのが実情です。
神野
認知症の治療は、基本的に老化との闘いでもありますからね。そう簡単にはいきませんか。
小野
そうなんです。不老不死が難しいように、認知症もアミロイドβ以外に、タウタンパク質や炎症、老化に伴う酸化ストレスの増加など、様々な因子が複雑に作用して発症しており、これらを全て除去できないと進行を完全に止めることはできません。
神野
なるほど。しかし、小野先生のご研究が認知症の根治に向けた大きな一歩となったのは間違いありません。先生の研究チームは以前、難病「パーキンソン病」の症状悪化の仕組みを、これまた世界で初めて特定されました。この難病もタンパク質が蓄積されることが発症要因とされるので、レカネマブの仕組みを応用できる可能性があるのではないですか。
ALS治療にも福音
小野
ご指摘の通りです。パーキンソン病や、さらには脳神経内科領域最大の難病の1つであるALS(筋萎縮性側索硬化症)もタンパクの蓄積が発症要因の1つであることが分かってきており、原因物質に直接作用するレカネマブの仕組みが応用できる可能性は十分あります。
神野
不治の病とされてきた難病にも、希望の光が見えてきたのですね。
小野
はい。私が研究を始めた20数年前、脳神経疾患領域は「分からない、治らない、つまらない」といわれました。それが今は、大きな可能性を秘めた非常に興味深い研究領域として医学界、そして社会から注目を集めています。一脳神経内科医として、一研究者として、こんな嬉しいことはありません。
神野
小野先生がアミロイドβのご研究を始められたのは確か、2000年でしたよね。
小野
そうです。私は、この4月に福井大学学長になられた内木宏延先生(当時は同大医学部病理学教室教授)の元で、アミロイドβについて学び始めました。内木先生が研究の重要性を教えてくださり、以来、アミロイドβの研究にのめり込んでおります。
神野
研究を始められてから25年後の今年は、団塊世代が全員75歳以上となり、日本の人口の約5人に1人が後期高齢者となる、社会の大きな転換期です。高齢者が急増する中、認知症は最大の課題の一つであり、その研究成果は最大の関心事です。今のような時代が訪れることを見通し、四半世紀も前に研究を始められた先生の先見の明に、あらためて敬服致します。
小野
恐縮です。直近のデータでは国内の65歳以上の約5人に1人が認知症、3~4人に1人が軽度認知障害になっています。75歳以上ではさらに多くなります。
治療普及へ地域連携を推進
神野
そのような状況の中、金沢大学附属病院でのレカネマブの症例数は、どれくらいになりますか。

小野
80例を超えて、全国トップクラスです。

神野
昨年11月には新たに保険適用となったアルツハイマー病の新薬「ドナネマブ」を全国に先駆けて投与されました。研究部門に加え、治療面でも金沢大学は全国の先陣を切っています。
小野
ありがとうございます。ただ、レカネマブは2週間に1度の投薬を原則1年半続ける必要があり、金沢大学附属病院だけで多くの患者さんを受け入れるのは限界があります。新しい患者さんの外来受診は2カ月待ちの状況が続き、また、遠方の患者さんにとっては頻繁な通院が負担になっています。この状況を改善するため、地域の医療機関との連携体制を築き、患者さんを紹介しています。患者さんの情報を共有する「連携パス」を導入し、治療に関して「連携施設の手引き」を作りました。この「手引き」に従って治療していただくようお願いし、何かあった場合は脳神経内科学のオンコール(※)に連絡していただく体制を取っています。
※【オンコール】緊急の呼び出しがあれば応急患者に対して診療などの対応を行うこと
神野
認知症治療薬を通じて、地域医療連携を推し進めようとしていらっしゃる。これもまた画期的なことです。それではこのあたりで、もう1つの大変興味深い研究、私の地元七尾市の中島町で進めていらっしゃる認知症のコホート(集団追跡)研究「石川健康長寿プロジェクト」についてお聞きしたいと思います。
地震ストレスが認知機能に悪影響
小野
この疫学調査を始めるにあたり、神野先生は私たちと地元七尾市の茶谷義隆市長との橋渡しをして下さり、検査・治療面でもご協力をいただいております。あらためて感謝申し上げます。私たちは2006年から3年ごとに、中島町に住む65歳以上の全住民約2400人を調査しておりますが、本来は、食生活や運動などを通して認知症の有効な予防因子を見つけることを目的としていました。しかし、昨年1月の地震発生を受けて、今期は調査目的を変更しました。地震はこの先、どこで起きてもおかしくありません。今回の震災が高齢者の認知機能に及ぼす影響を探ることで、どういったところに気を付けるべきなのか、予防として何かできることはないか、その糸口を見出したいと思っております。
神野
七尾市民の1人としても、調査結果が大変気になります。
被災後、高齢者の3割
「もの忘れ増えた」
小野
3年がかりの調査ですので、詳細な全容はまだ分かっておりませんが、少しずつ傾向は浮かび上がってきております。私たちは昨年4月に中島町で、65歳以上の1710人を対象にアンケートを実施しました。「地震の前に比べて物忘れが増えたと思うか」との問いには923人が回答し、そのうちの約33%の人が「もの忘れが増えた」と答えています。また、約39%の人が「被災後、睡眠の質が低下した」と感じており、さらに「地震の前と比べて座っている時間が増えた」と答えた人が約27%となっています。さらに、同居していない家族や友人などとの交流について「ほとんど毎日ある」と回答した割合は、震災前の2021年から23年にかけての調査では約33%だったのに対し、今回の調査では約12%と、大幅に減少しています。
閉じこもると「海馬」が縮小
眠っている間に脳が「浄化」
睡眠6時間未満は発症しやすい
神野
やはり震災による地域コミュニティーの崩壊で孤独感が強まり、屋内に閉じこもりがちになることが、認知機能に悪い影響を与えているのですね。
小野
はい。私たちのこれまでの研究で、社会的交流頻度が減ると、短期記憶にかかわる脳の器官「海馬」の体積が縮小することが判明しています。また、睡眠もとても重要で、睡眠中に脳脊髄液の還流が改善されてアミロイドβの外部への排出が促されます。寝ている間に脳は自分自身をきれいにしようとしているのです。逆に眠らないと排出されずにアミロイドβが蓄積されることが分かっています。睡眠時間6~7時間が最もアミロイドβがたまりにくく、6時間未満はたまりやすいというデータもあります。
神野
座っている時間が長くなると、寝たきりの前段階であるフレイル(心身機能の低下)も招きます。
小野
ご指摘の通りです。体を動かすこと、特にウオーキングやエクササイズなどの有酸素運動は身体の状態の維持に加え、脳にも良い影響が期待できます。有酸素運動にも脳脊髄液の循環改善効果が認められており、散歩するだけでも良いので、できる限り外に出て、体を動かし、近所の人と会っていただきたいですね。
復興の遅れ、悪化の一因
神野
ただ残念なことに、町内の海沿いの道路はいまだにガタガタのままで、散歩したくてもできない状況です。復興の遅れが、認知機能悪化の一因になっているように思います。住み慣れた土地に残っていても、一定数の人に認知機能への影響が見られるということは、故郷を離れて暮らす二次避難者の状況は、さらに深刻ではないですか。実際、最近の災害関連死者の多くは二次避難された人たちです。見ず知らずの土地で心細さからフレイルになり、体が思うように動かなくなって持病が悪化するなどして亡くなる人が増えています。
小野
二次避難者まで調査対象を広げるのは困難で、実態は分かりませんが、おそらく先生のご指摘の通りではないかと推測いたします。
神野
能登半島地震の後、生活や環境の変化で認知症が一気に進んだとか、寝たきりになってしまったという話を数多く耳にしますが、因果関係のエビデンス(医学的根拠)がありません。先生のご研究が初のエビデンスとなれば、世界に発信できる大きな話題になると思います。
小野
実は私たちも、家屋の損壊状況と住人の認知機能との関係性なども含め、アンケート調査に加え、頭部MRI (核磁気共鳴画像装置)検査や血液分析、運動機能や体重、脈拍・血圧などのバイタルサインの計測なども行い、エビデンスとして何か示せないか、検討しております。
住民との交流、地道に重ね
神野
期待しています。ところで、古くからの小さなコミュニティーの中に研究者が飛び込んで、個人情報にも関わる疫学調査を進めるのは、なかなか大変な作業であり、ご苦労もあったのではないでしょうか。
小野
ご推察の通り、現地にパッと行って、すぐに始められるものではありません。地道な交流を重ねて人間関係をしっかり築いてからでないと、地域の皆さんのご協力は得られません。そういった点で、篠原もえ子先生(金沢大学脳神経内科学准教授)の尽力が大きいですね。プロジェクトのトップ(教授)は変わっても、篠原先生は19年前のスタート時から一貫して関わり続けています。こまめに中島町に足を運んで、住民たちと一緒にお茶を飲んだり、雑談に花を咲かせたりして、地域に溶け込む努力をしています。
神野
ずっと同じ人が担当なので、地域の人たちも安心し、心を開いてくれるのでしょうね。
小野
はい。身体の状態などで検査会場まで来られない人にはご自宅を戸別訪問して「悉皆(全数)調査」を行っていますが、これも篠原先生が七尾市の職員さんらの協力を取り付けて、できるようになりました。自分は要の時以外はそんなに頻繁に現地へ行けません。篠原先生と医局員・スタッフたちの頑張り、そして何より七尾市中島町の皆さまのご協力があったからこそです。
神野
小野先生も、地域の人たちに慕われそうなお人柄です。
小野
ありがとうございます。先日の学会でも、医局員の発表の際、スライド送りなどの裏方作業を、若い先生に代わって私がやっていました(笑)。
神野
和気あいあいとした医局の雰囲気が伝わってきます(笑)。中島町でのコホート研究は、地元である私たちがアドバンテージを持っており、他の研究機関が入り込む余地はありませんので、ぜひ先生には引き続き頑張っていただきた
いと思います。
厳しさ増す疫学調査
小野
地震による影響調査はあと2年かけて、しっかり結果を出します、しかし、その後も継続できるかどうかは不透明です。と申しますのも何分、人件費等のコストがかなり負担になっております。現在は、AMED(エイメド=国立研究開発法人日本医療研究開発機構)が研究費を助成する「大規模認知症コホート研究」の一環として実施しておりますが、今後もこの研究事業が「国家戦略」として採択され続けるかどうか、分かりません。また、全国のコホート研究の共通課題なのですが、プライバシー重視の風潮から、戸別訪問調査が昔以上に困難になっています。伺わせていただく日時を指定されることも多く、遠方でもあるため大学病院での診療との両立が難しい側面も否めません。
神野
厳しい実情は理解致しましたが地元民としてもぜひ、継続していただくことを願います。認知症は今や「国民病」であり、その研究に対して国や行政がもう少し協力姿勢を強めるべきだと思いますが。
小野
先生にまたもや励ましていただき、感謝致します。
神野
50年余り前に母が抱き上げた赤ちゃんが、今や「時の人」になられた。母も空の上で、きっと感無量だと思います。認知症の患者さんとご家族、介護される人たちのご負担が少しでも軽減されるよう、研究のご進展を願っております。
小野
ありがとうございます。金沢大学の恵まれた研究環境をフルに活かして病態メカニズムを解明し、根本治療に導けるよう、そしてそれを患者さんの診療に結び付けられるよう精進致します。神野先生、御多忙とは存じますが、これからもご指導、ご鞭撻のほどよろしくお願いします。
